IPRするか否か

IPRするか否か

こんにちは、栄駅前矯正歯科、矯正歯科医の吉岡基子です。

IPRって聞いたことがありますか?

IPRとは Interproximal(Enamel)Reduction の略で、
歯と歯の間のエナメル質をわずかに削り、歯を動かすためのすき間をつくる処置のことです。

0.1mm〜0.5mmほど、ほんの少しだけ削ります。
「ディスキング」や「ストリッピング」と呼ばれることもあり、昔から行われている安全な方法です。

エナメル質には神経が通っていないため、基本的に痛みはありません。

「全部の歯を少しずつ削れば、歯を抜かなくて済むのでは?」

そう思われる方もいらっしゃいます。
しかし、矯正治療はそれほど単純ではありません。

エナメル質には厚みの限界がありますし、削りすぎると歯に負担がかかってしまいます。
また、歯の大きさや顎のバランスによっては、IPRだけでは解決できない場合もあります。

IPRをしないと、ガタガタの歯は並ばないの?

いいえ、必ずしもそうではありません。

適切な診断と治療計画があれば、IPRを行わなくても歯がきれいに並ぶことはあります。

実際に当院の患者さんの症例では、IPRをせずに治療を行い、1か月後には前歯がきれいに整いました。(本日の画像)

マウスピース矯正の場合は?

マウスピース型の装置は、ワイヤー矯正(マルチブラケット装置)に比べてやさしい力で歯を動かします。
そのため、装置の特性上、IPRを併用することがあるのも事実です。

これは「無理に削っている」ということではなく、治療をスムーズに進めるために必要な場合があるということです。

一番大切なこと

気をつけなければならないのは、

「IPRをすれば歯を抜かなくても大丈夫」

「歯を抜きたくないから、たくさん削ればいい」

という考え方です。

IPRは決して悪い処置ではありません。
当院では、上下前歯のバランスを整えたい場合や、ブラックトライアングル(歯と歯ぐきの間にできるすき間)が大きい場合などに、患者さまとよくご相談したうえで行っています。

矯正治療で大切なのは、「できる・できない」ではなく、
その方にとって最も安全で、長く健康を保てる方法を選ぶことです。

ご不安なことがあれば、いつでもご相談ください。

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